30年近く務めてきた会社を2021年4月に早期退職して、10ヶ月が経過した頃、フィリピン開国のニュースが飛び込んできた。2020年の3月からロックダウンに入ったフィリピンは世界で最も長いロックダウンを実施している国の1つです。それが、2022年2月10日から観光客の受け入れを開始したのです。
そして、私は2022年3月現在、フィリピンのマニラに居ます。
今回は、退職後、どんな風にこの10ヶ月間を過ごしてきたか、そして、今、何をしているのかを記録として残しておきたいと思い、この記事を書くことにしました。
退職後の生活
当初の予定と誤算
私の最初の予定では、2021年6月くらいまでに今住んでいる日本の家の整理をして、7月~8月にフィリピンに引っ越そうと考えていました。しかし、引っ越すと言ってもフィリピンで住むにはビザが必要です。
フィリピンは、観光ビザで入国して滞在の延長をすれば、最長36ヶ月まで滞在できます。私が検討しているのは、そう言ったものではなく、永住を目的としたビザ取得です。元からそのつもりでしたが、今回のコロナによって、多くの国が国境を閉じることになりました。フィリピンにおいてもビザを持っている方は、比較的早い段階から、フィリピン入国ができていました。やはり、ビザを持っていると持っていないとでは大きな差があることを実感しました。
ところで、ビザ取得のためには、まずは観光ビザでフィリピンに入国する必要があります。前述したとおり、フィリピンは観光客の受け入れをしていませんでした。当然のことながら、私はどうすることもできずにいました。時間ばかりが経過していく毎日です。それでも、2021年7月くらいまでは、呑気に退職後ライフを満喫していました。
ところが、いつまで経ってもフィリピン開国の兆しは見えてきませんでした。私はだんだん焦りだしました。実家に一人暮らしをしていましたので、貯金やハローワークによる失業給付金もあり、生活費などのお金については、困っていませんでしたが、先が見えない不安が日々大きくなってきました。
フィリピン渡航のための準備
私は、何とかしてフィリピンに渡航出来ないだろうかと検討をしました。フィリピン大使館に電話で確認してみたところ、フィリピン政府(入国管理局?)が、ビザ申請のために渡航を許可するものを入手できれば、フィリピンに観光ビザで渡航が可能ということを聞き出しました。そのためには、私が取得しようとしているビザを管轄している組織(PRA)に対して、ビザ申請の準備をして事前に書類を提出して、その後、認可がおりたら、渡航できるというものでした。私は少しでも早くフィリピンに行きたかったので、その道を選択することにしました。ビザ申請に必要なものは、新規ビザ発行の申請書、日本の無犯罪証明書、医師の診断結果を含むメディカルリポート(アポスティーユ認証が必要)やレントゲン写真、預託金の準備などです。
必要書類などの準備をやってくれる代行会社もありますが、コロナ禍という状況下で代行会社がどこまでやってくれるのか?従来と状況が大きく変わっており、申請手順も曖昧な状況でしたので、通常の依頼では無理だと判断しました。そこで、私は、代行会社に頼まず、自分で申請することにしました。幸いにもフィリピン人の友人がいましたので、二人で確認しながら進めていくことにしました。※後日、代行会社のホームページを見たところ、やはり、このパンデミックの間に、様々な環境が変わってしまい、ビザ取得までに大変苦労されたようです。書かれていた内容を読むと、私達が苦労した内容と同じような状況下であったことがわかりました。
- 申請書の確認
申請書は、問合せ先や記載されているサイトによって微妙に違っていたり、どれが正しい申請書なのか迷ったり、なかなか一筋縄ではいきません。 - 無犯罪証明書の入手
そもそも無犯罪証明書って「何?」から始まって、取得方法を確認し管轄警察まで申請しに行って、後日、受け取りに行きました。ちなみに、最初に入手してから実際にフィリピンに渡航できるまでにかなり時間が過ぎてしまったので、2回申請を出すことになりました。 - 健康診断書の準備
メディカルチェック用の健康診断の実施やその英文への翻訳など、かなり手間がかかるものでした。ちなみに通常であればフィリピン渡航後に健康診断を実施するので、半日もあれば終わる内容です。日本で健康診断をすると時間もお金も余計に掛かります。 - 預託金の送金
事前にお金をフィリピンの友人に送金をしましたが、これが後ほど、面倒なことになりました。
ここまで準備を進めていましたが、フィリピンが2021年12月から開国するというニュースが流れてきました。もしかしたら、渡航してビザ申請ができるかも?と期待が大きくなりました。私は、早速マニラ行きのチケットを調べ始めました。
ところが、11月末に、南アフリカで新たな変異種「オミクロン株」が報告されたというニュースが流れてきました。
「何それ?」と思ったのもつかの間、オミクロン株の世界的大流行によって、国際社会は再び閉ざされ、フィリピンにおいても、観光ビザでの入国の話は無くなってしまいました。
私は、期待が大きかっただけに心底ショックを受けました。夢も希望もすべてを打ち砕かれた気持ちでした。
フィリピン渡航前の準備その1
私は、外国で暮らすことになったら、健康であることがとても重要だと考えるようになりました。実際に、私はあまり健康体とは言えません。持病もあるため、これは外国で住むにはかなりの不安材料となります。その一つに、「重度の睡眠時無呼吸症候群」があります。普段、私は、CPAP(シーパップ)という機械を付けて眠っていました。寝ている間に無呼吸になった状態を感知して呼吸を促す機械です。この機械は、通常、病院が提携している業者からレンタルをして、2ヶ月に1回病院で普段の睡眠状況を確認しながら利用していくものです。治療ではなく、あくまでも暫定対策のようなもので、日本国内でしかこのサービスは受けられません。この機械を外国に持っていって利用することも不可能です。この機械を買い取って利用する方法もあるのですが、機械のメンテナンスが難しくなり、運用できなくなるケースが多いという話を医者から聞いたことがあります。睡眠時無呼吸症候群の原因の1つに肥満もあるため、少しでも健康な体を作るためにダイエットをすることにしました。
私は、9月末頃からダイエットを始めて、3ヶ月程で約16Kgの減量に成功しました。自分でも驚くほど、短期間で成果がでました。※下の折れ線グラフ参照
あと、かなりの時間をかけて、歯の治療を行ってました。言葉が通じないところで歯の微妙な感覚を伝えるのは、かなり大変だろうなと思ったからです。結局、1年位は歯医者に通院していたと思います。その中には、前述したC-PAPが利用できなくなることを考えて、寝ている間に付けるマウスピースも作りました。ところが、このマウスピースには慣れなくて、かえって眠れない状態になったので、マウスピースをつけて眠ることを諦めました。
ちなみに、ダイエットの成果もあったのか、現在は、夜中に途中で何回も目が覚めることもなくなり、無呼吸状態になることが相当減ったことが分かりました。
フィリピン渡航前の準備その2
これは、フィリピン渡航前と言うよりかは、会社を辞める前から色々と調べていたことですが、貯金や退職金や失業給付金(失業保険)、年金、健康保険、生命保険、退職時の確定申告、資産運用などについて、自分の状況把握と今後どうすべきかを明確にしていくことでした。
「どうすれば、新しい生活がより良くなるのか?どうすれば損をしないか?」
私にとっては、今後の生活を左右する大きなものばかりです。これについては、サラリーマンだった私が初めて体験するものばかりでしたので、試行錯誤しながら検討した内容をいくつか記事にしましたので、参考にしてもらえれば幸いです。資産運用については、具体的なアドバイスはできませんが、どんな検討をしたのかを別記事に今後まとめていきたいと思います。
フィリピンでプチ移住生活が始まる
フィリピンに来てやったこと
私は、2022年2月10日にフィリピンに渡航しました。この日は、2年近く続いた観光客の受け入れを停止を解除して、フィリピンが開国してくれた初日です。話は少しずれますが、私と同じような思いをしている外国の方もいると思いますので、日本政府には日本開国のロードマップを早く提示して欲しいと願っています。
話を戻しますと、私が、最後にフィリピンに訪れたのは、2019年12月27日~2020年1月4日です。初めて年末年始を外国で過ごすという経験でした。この時から約2年と1ヶ月ぶりのフィリピン渡航でした。今回は、今までのように短期間での旅行ではなく、ビザ申請や生活をするための準備という目的です。今回は、2~3ヶ月の滞在を予定しています。
私は、こちらに来て、最初に行ったことは、ワクチンのブースター接種です。フィリピン人の友人が、事前に、観光ビザで入国した私が、ワクチン接種をできるかどうかを調べてくれていてました。ショッピングモール内にあるワクチン接種会場へ行って、希望するワクチンの種類を決めて、30分くらい待ってワクチン接種ができました。どの種類のワクチンを接種するのか、簡単な問診のあとに接種完了という感じでした。フィリピン国内で利用可能なワクチンパスポートをもらい、写真を貼付してラミネートで保護してカードの完成。地域やお店などに入る際に提示を求められたので便利でした。
ちなみに、フィリピンから海外へ行く場合に使用可能なフィリピン版のワクチンパスポートも数日後に入手できました。このフィリピン版ワクチンパスポートは、日本帰国時にも利用しました。
その後、フィリピンでやったことは、私が取得しようとしているビザは、1ヶ月では到底取得できないため、観光ビザ申請の延長です。
フィリピンにある入国管理局(マニラ市内にあるIntramuros)に行き、滞在延長の申請を行いました。
ここでもフィリピン人の友人が、何から何まで色々とやってくれて、あっという間に1ヶ月の延長申請と承認が完了しました。入り口辺りに話しかけてくる人が沢山いるのですが、その人達は手続きを有償でサポートするようです。高い値段を言ってくるのかは分かりませんが、友人はおすすめでないと言っていました。
滞在延長ができたことで、丸々2ヶ月はフィリピンに滞在できます。その間にビザ申請を行う流れになります。
ビザ申請に必要なメディカルリポートを取得するため、クリニックに行き検査をしました。
血液検査やレントゲン、尿・便検査です。結果は別な日になるので、後日取りに行き入手しました。
検査をするクリニックと診断書をかいてもらう病院が違っていたため、別な病院に行き、メディカルレポートの入手が完了。
フィリピンに渡航する際は、30日以内に帰国もしくは他の国に出国する航空券が必要です。滞在延長もできたので、帰国の航空チケットの帰国日の日程を変更するために、フィリピンエアラインのオフィスに行き、チケット変更をしました。ついでに、フィリピンに来るときに申告し忘れたフィリピン航空のMabuhayマイルの後付け申請もしてきました。
現在は、実際にビザ申請を行い、念願のリタイアメントビザを取得できました。(2022年5月取得)ビザ申請についても、別途詳細記事を書きたいと思っております。
フィリピンで過ごしてみて
私が、フィリピンに来て1ヶ月ちょっとが経ちました。その間、最初の4~5日間は、ホテルに滞在していましたが、その後は、マニラ市内にあるフィリピンの友人の家に滞在しています。色々な文化の違いや生活習慣の違いはありますが、とても快適に過ごせていると思います。友人も、とても気を使ってくれているのが分かります。
今、住んでいる場所は、観光客どころか、外国人がほぼいない街のようです。一人でフラフラと出歩くには少し時間がかかると思います。移動には、友人のモーターサイクルか、ジプニー(ローカルの人が使う乗り合いトラック)やタクシー、シェアタクシー、電車などを使っています。ジプニーとシェアタクシーの利用は、外国人には、かなりハードルが高い乗り物だと思います。両方ともある程度、タガログ語でのコミュニケーションが必要な乗り物です。通常のタクシーの場合であれば、Grabタクシーを利用すれば、大丈夫だと思います。
近くに友人の実家もあり、たまに徒歩で遊びに行ったりもしていますが、最近、特に実感してるのは、やはり、タガログ語を話せるようになって、色々な人とコミュニケーションがとれた方が楽しいだろうなということです。少しずつ勉強していくことにします。
フィリピンの食事事情
フィリピンの食事については、外食したり、友人が作ってくれたりしていますが、私にとっては天国のような食べ物に溢れかえっております。私の大好物のチキンがあちこちのお店においてあるのも大満足な点の1つです。野菜の料理も色々な種類がありますが、生野菜を使ったサラダというのは、あまり見かけません。スーパーなどで買って食べるとかしていますが、フィリピンの人は、あまり生サラダを食べないのだろうか?
あとは、みんな、お米もよく食べてるなぁという印象です。マクドナルドやケンタッキーフライドチキンとかでもご飯がついてくるくらいです。ファストフードで忘れてはならない存在がJollibee(ジョリビー)です。マクドナルドが唯一シェアを獲得できなかったフィリピンのファストフード店です。私も大好きです。
あとはスイーツも色々な種類があって、せっかくダイエットしたのに逆戻りになりそうで怖いです。
フィリピンのレストランやどんな食べ物があるのかについても、いずれ紹介していきたいと思います。
ちなみに、下の画像は、友人が作ってくれたカレーです。チキンやポーク、野菜、ココナツミルクが入っていて、ちょっとスパイシーだけど、食欲がアップするカレーでした。
トップで使用した画像は、私が撮ったものですが、場所はEDSAというエリアになります。フィリピンはインフラ整備が急ピッチで進んでおり、建設中の高速道路の画像となります。南の島系のリゾート地の写真を使用せず、建設中の高速道路の画像を使ったのは、「現在のフィリピンという国のエネルギー」と「これからのフィリピンでの新生活作り」を重ねてみたからです。
まだまだ、書きたいことが沢山ありますが、続きは別な機会でお話したいと思います。
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